【要約&書評】<5分でわかる>幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない

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〈この記事はこんな方におすすめ〉

・書籍「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」の要約や感想を知りたい

・幸福になるための方法について学びたい

・常にネガティブ思考な自分を変えたい

 

〈この記事によってわかること〉

・書籍「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」のエッセンス

・現在に集中し人生をエンジョイするための秘訣

・自分を苦しめる感情とうまく共存する方法

 

ラス・ハリスさんの「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」を読んだのでその書評と要約をします。

 

 

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ACTとは

ACTは人生において不可避な苦痛に対処するための手助けとなるアプローチである。

 

ACTではまず感情の居場所を作り、それをあるがままにさせておく。

そして自分自身に問う。「今本当に意味があり大切なことが何かできないだろうか?」

これは「どうすれば気分が良くなるだろう?」という類の問いとは全く違う。

一度本当に価値のある行動を見つければ後は実行するのみだ。

 

ACTの主要な3つの段階をシンプルな頭文字で覚えておこう。

不快な感情を受け入れ価値ある行動を行えば、心地よい感情はしばしば生まれてくる。

A:Accept

思考と感情を受容し、現在に生きる。

私たちは何度も繰り返し受容することが必要だ。

 

アクセプタンスという言葉は誤解されやすい。

いちどきりの行為に思えるからだ。

しかしそれは継続して行うべきことだ。

「受容し続ける」という方が正しい表現かもしれない。

C:Connect

自分の価値とつながる。

接続とは目覚めること、起こっていることに気づくこと、世界に参加すること、人生の一瞬一瞬の充足に感謝することだ。

 

これはあなたにとってたった1つの人生だ。半分しか参加しないのはあまりにもったいない。

効果的な行動をするための前提として、「いま、ここ」に集中する必要がある。

T:Take effective action

効果的な行動をする。

行動を起こすといっても何でもいいわけではない。

それは効果的なもの、自分自身を価値ある方向に導くものでなくてはならない。

 

ACTの6つの基本行動原則

脱フュージョン

思考、イメージ、記憶をあるがままに、単なる言葉と映像として認識し、それと戦ったり逃げたり、値する以上の注意を向けたりすることなしに、現れるままされるがままにさせる。

拡張

感情、感覚、衝動などに居場所を作ってやり、それと戦ったり逃げたり、過度に注目したりせず、来て去っていくままにさせる。

接続

心を開き、興味を持ち、需要の心を持って今ここでの経験に100%注意を向ける。

自分が現在していることに完全に集中・没頭する。

観察する自己

自分の中の超越的な部分であり困難な思考や感情を、それらに傷つけられることなしに観察できる視点を持つ。

自分の中で決して変わらない部分、ずっと存在し続け、決して傷つけられることがない部分。

それは肉体的な存在ではない完全なる気づきである。

価値の確認

自分にとって1番大切なものを明確化する。

どんな人間になりたいか、何が重要で意味があり、自分が人生で支持するものは何か。

目標に向かっての行動

自分の価値と一致した効果的な行動をする。

何度道から外れようと気にしない。

 

障害の正体:FEAR

ACTを実践しても人生に意味ある変化を起こせていないと感じているとすれば、あなたは以下の4種類の障害のいずれかに直面している可能性がある。

あなたが感情的に行き詰まっていたり、行動するのをためらっている場合、ちょっと時間をとって何かあなたの行く手をはばんでいるのかどうすれば解決できるのかを考えてみよう。

F:Fusion フュージョン

役に立たない思考、例えば「僕にはできない」「これはうまくいきそうにない」「めんどくさい」「後でやろう」などという感情とフュージョンしているなら、脱フュージョンの練習をしよう。

E:Excessive expectation 過剰な期待

あなたが非現実的な期待をしているなら、目標をいくつかの小さなステップに分け、自分にもっと時間を与え、失敗することを許そう。

A:Avoidance of discomfort 不快感の回避

もし不安や不安恐怖などの不安な不快な感情を避けようとしているなら、拡張のテクニックを使い、積極性を養う。

R:Remoteness from your values 価値との乖離

自分の価値が見つからないなら自分に問い続けよう。

私にとって本当に大切な事は何か、心の中で1番重要視している事は何か、どんな人間になりたいか、私が心の奥底で欲しいと思ってるは何か。

 

難しすぎる目標を立てていないか?

次のような目標や課題を自分に課していては、幸福は得られない。

  • 目標が大きすぎる。あまりにも早くあまりにも多くを行おうとしている。
  • 目指す目標達成するためのスキルや準備が欠けている。
  • 完璧に1つのミスもなく行おうとしている。

 

ネガティブ思考を追い払おうとしないこと

ネガティブな思考を追い払いたいと考えるのはある意味当然と言える。

しかしネガティブ思考からくる苦痛を消し去ることと、その感情と戦うこととは大いに異なる。

ネガティブな思考と戦って惨めな気分になっているならまずそれを認識しよう。

好奇心の強い科学者になったつもりで自分の心を観察してみれば、戦いのパターンがいくつかあることに気づく。

 

コミットメントの本質

歩き始めに転ばない赤ん坊はいない。

転ぶ前に体制を立て直せることもあれば転倒することもある。

ときには転んで怪我することさえある。

あなたも何百回となく転んできたが、諦めようとしなかった。

だから今苦労なく歩くことができているのだろう。

 

同じように人生のいろんな局面で、あなたは常に立ち上がり、経験から学び、前進していく。

ACTにおいてコミットメントと呼ぶ態度はこれに近い。

思考と感情を受け入れ、心を現在に置き、元自分の価値とつながっていても、効果的な行動をしなければ、豊かで意味深い人生を想像することができない。

 

コミットメントはアクセプタンスと同様非常に誤解されやすい用語である。コミットメントは完璧であることではなく行動を完成させることでもなく決して道を謝らないことでもない。

コミットメントはあなたが転んだり道からそれたとき自分を励まし自分のすべきことを知り目指す方向に前進し続けることなのだ。

 

未来はあなたの管理下にはない

目標を達成できるかどうかを前もって知る方法は無い。

ひたすら自分の価値の方向に進んでいくだけだ。

あなたが自由にできるのは一歩一歩前進しながら学び、成長することによって、旅を続けるための自分の能力を高めていくこと、そして途中で方向から外れたら道に戻ることだけである。

 

偉大な指導者ウィンストン・チャーチルは「成功は最終目的ではない。失敗は致命的ではない。大事なのは継続する勇気だ」と言った。

 

まとめ

「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」は、苦痛や不快感とうまく付き合う方法を具体的なワークを交えて教えてくれる実践的な本ですので、ネガティブ思考をなんとかしたいと思っている方には大変おすすめです。

 

人生において不可避な苦痛や不快感といった負の感情を認め、うまく付き合っていく方法を学ぶことが、結果として幸福感を得ることに繋がるんですね。

 

世界の見方が代わり、今の自分自身を見つめ直すきっかけになります。