ワタナベアニさんの著作「ロバート・ツルッパゲとの対話」は哲学とかウィトゲンシュタインとかキム兄とかが出てきて非常に面白いです。刺さった言葉を独断と偏見でまとめました。
要約
読んでて刺さった箇所を独断と偏見でまとめました。
名言
・どのジャンルでも本当に優秀な大人は子供っぽく見えるもの。
・高いレストランの価格にはマナーの学習費用も含まれている。
・人と対話していて楽しいのは、どんな言葉が返ってくるか分からないから。
哲学について
・哲学とは、過去に誰も言わなかった世界の側面を発見して提示するのが目的であり、多数決とは全く逆の作業。
・哲学と言うのはレゴで出来上がった大きなものを、1つずつのパーツに戻して整理し直す事でもある。
・哲学とは、私の目には世界がこういう風に見えるという表明である。だから自分がやっている写真家と言う仕事がかなり哲学的だなと感じている。学校教育は正しい回答を生徒に求めるという点で、哲学的とは言えない態度を強要している。
ウィトゲンシュタインについて
・ウィトゲンシュタインが好きな理由は、物やお金にとらわれない上品なところ。
・ヴィトゲンシュタインは「自分が気づいていなかったことは、本を読んでも理解できないのだ」と言った。「うっすら感じてはいたけど、自分の中で言語化できていなかったこと」だけが、本を読んだことをきっかけに理解できるのである。
・ウィトゲンシュタインは「屋根に登るためのはしごは、登ったら不要になる」と言っている。
乱暴な4分類
・「お前の写真はドイツ人が撮ってるみたいだ」と言われたことがある。
・人間の性格をホノルル・フロリダ・プラハ・ベルリンの4つに分けたら、前の2つには入らない自信がある。
・温暖で短パンでアロハより、寒くてアンハッピーな堅物サイドに親近感がある。
自分を騙す
・俺は40代で急に写真家になろうと思って写真を撮り始めたが、その俺が日本広告写真家協会の審査員を依頼された。劇的におかしい。
・俺は「○○をしよう」と決めたら「自分はずっと○○だけやってきた人間だ」みたいに自分を騙すことができる。
・まず騙すべきは、他人ではなく自分なのだ。
感想
文章を読む時、コンテンツとして何が書いてあるかも大事だけど、文体やリズムや伝え方によっていい体験になったり刺さらなかったりする。
ワタナベアニさんの文体は、怒られてるように感じたり優しく感じたり、不思議な感覚が味わえた。
あと、ウィトゲンシュタインを読みたくなって、学生時代に好きだった永井均さんの本を再読した。
まとめ
- 哲学は多数決とは逆の作業
- 優秀な大人は子供っぽく見える
- まず騙すべきは自分