郡山史郎さんの著書『転職の「やってはいけない」』について、要約と感想をまとめました。
要約
転職は病気と同じ
現在の会社で心おきなく働いている人を健康な人だとすれば、転職をしなければいけない人は、何らかの原因によって健康な状態ではなくなった、つまり病気になった人と言うことになる。
転職理由
人間関係を理由に転職を考える人は多い。
前の職場の待遇面での不満や人間関係のストレスは、決して面接で口にしてはいけない。
採用する側は、ストレスを我慢して乗り越えられるような人材を求めている。
上司にひどい人がいたと言う話もあるが、世の中は変な人だらけで、どの会社にも性格悪かったり仕事ができなかったりする上司はいるものだ。
直感
転職先候補となる会社が複数ある場合、今度はどんな観点から候補を絞り込めばいいかが問題になる。
でもその情報が多いほど、迷いを変えて大きくなるものだ。
会社を徹底的に調べたとしても、そもそもその情報は会社の一を表しているに過ぎない。
自分自身が腰を据え、やりがいを持って働けるかどうかは別問題なのだ。
その答えがはっきりするのは、入社して組織の一員として働くようになってからである。
突き詰めれば転職も結婚も、好き嫌いが決め手である。
基本的に10年以上続いている日本企業の99%はいい会社だと思っている。
だから会社は直感で選んでも良いのだ。
私はこれまで3000人以上の転職を見てきたが、うまくいった転職は直感で決めたものが多い。
細かな情報収集はせず、少ない情報中に納得のいく要素が見つかるよう、転職を決断。結果見事成功勝ち取ったケースがいくつもあった。
一方就職先がなかなか決まらない人や、入社後にトラブルを起こして再び転職活動しなければならなくなる人は、徹底してデータを集めて転職先を調べようとする傾向がある。
転職する理由
転職を成功させるには、自分が新しい会社や仕事に向いているかやりがいを感じるかと言う点が最も重要である。
今の会社は私を十分に使ってくれない。
このままでは自分の能力が伸びない。だから転職したい。
それこそが転職する最大の利用になるべきである。
風通し
自由な社風であるかどうかをどうやって判断するのか?
私の場合は社員同士のコミニケーションに着目している。
地位や立場にかかわらず、「さん」付けで呼び合う文化がある企業なら、大いに期待できるというのが私の見立てだ。
ソニーがそういう会社だった。
相手が誰でも「さん」付けで呼びかけ、敬語で話すことがルールになっていた。
誘導尋問
面接では「最後に何か質問はありますか?」と聞かれることがある。
しかしこれこそが最も危険な誘導尋問だ。
このように聞かれても余計なことをしゃべらないことを意識し、「特にありません」と笑顔で答えるのが模範回答である。
ここで、ノルマはありますか、残業時間はどれぐらいですか、などといったことを質問したとすると。企業側には疑い深い人だと思われかねない。
企業側は「この人と信頼関係を築けるか」ということを見極めたくて、面接を行っている。
余計な質問をしてしまい、「この人と信頼関係を築くのは難しそうだ」と思われてしまえば、残念ながら不採用になるだろう。
感想
著者が自分自身の転職経験を「1勝2敗」と表現していたのが印象的だった。
「転職したい」という発想に至ること自体が一種の病気であり、転職は最終手段としてまずは社内異動を検討すべきという著者の指摘は当たっていると思う。
また、会社は実際に入ってみないとわからないことが多いから、転職先候補は直感で決めていいというのも面白いと思った。
まとめ
- 「転職したい」という気持ちは一種の病気
- 「人間関係が辛いから転職する」では、辛さから抜け出せない
- 「自分の能力をもっと発揮するために転職する」が理想