要約
学校は理不尽を学ぶ場所
大人になって思う。
おそらく学校とは、理不尽さを学ぶ場所なのだと。
そもそも社会は理不尽なものだから、理不尽さを知らない間も大人になると、理不尽さにやられてしまう。
僕が息子を学校に生かせる理由は2つ。
1つは、年齢相応のことを経験させるため。
もう一つは、予防接種のごとく理不尽さへの免疫をつけさせるため。
これ以外学校に求めるものは何もない。
優しい人
優しい人かどうかを見分ける方法を、息子に2つ教えたい。
1つは、悩み相談にその人がどう答えるかと言うこと。
人の悩みをどう答えるかは、自分の人柄を映し出すリトマス試験紙だ。
悩んでいる人に、自分の答えを押し付けるような人はやめておいた方が良い。
相手を一旦受け入れ、そっと背中を押してあげるような人が、優しい人だ。
もう一つは、弱い人にどう接するかということ。
自分よりも弱い存在に強く出る人は、自分の子供と言う弱い存在を押しつぶしてしまうから、やめておいた方が良い。
優しい虐待をしかねない相手だから、気をつけたほうがいい。
この2つは結婚だけでなく、相手の人となりを見るとき、役に立ってくれると思う。
写真は不完全なツール
僕は旅先で写真を撮るが、いくら見返してもその時の感動は蘇らない。
風の音、匂い、温度や湿度、すべての感覚が経験を作る。
写真は五感のうちの視覚だけを使うものだし、それすらフル活用していない不完全なツールなのだ。
人間の視野は180度位あるが、写真にするとかなり狭くなってしまう。
写真を見ただけではわからないことばかりで、だから旅という経験が大事なのだ。
インドの旅
はじめての海外はインドで、1ヶ月の旅。
驚いたのは、ふらっと入った本屋さんで見つけて写真集だ。
ガンジス川の死体など、いかにもインドらしい作品ではなく、どれも普通の生活をとっているのにものすごい写真だと思った。
それらの写真はまるで透明なカメラで撮られたような、生々しくて不思議な写真だった。
それは世界的にも著名なインド人写真家、ラグ・ライの写真集だった。
彼の作品を見て僕は「日本を撮ろう」と思った。
若い僕は、日本人が行ったことがない海外で写真をとれば、すごいものができて簡単に発表できるんじゃないかと言う安直な考えでシャッターを押していた。
インドの写真はインド人が撮ったほうがいいし、日本の写真は日本人が取った方が良い。
自分がよく知っているものを、自分の目でとってこそ人に伝わる。このあたりまえのことを僕はインドの写真から教わったのだ。
面白い人
面白い人は、自分がしっかりやって人の目を気にしない人だ。
人の批判を気にしない、人の意見に左右されない。
そういう人の言うことやすることは面白いし、そういう人なら自分のやりたいことを見つけられる。
つまらない人はこの逆で、人の目を気にして人の意見に左右される人だ。
面白い人と言うのはまた、会話の達人でもある。
面白い人はみんなどんどん偉くても自慢話はせずに、相手の求める話をしてくれる。
面白い人は相手を思いやり、相手のことを見下さない。
ライスワーク
もしも息子がライスワークとライフワークは別々に持つことになったら、ライスワークでは出来る限り効率よく稼いで欲しい。
時間をかけずに必要なお金を集めるように工夫してほしい。
ライスワークのために家族と過ごす時間をライフワークの時間がなくなるなんて悲しすぎる。
年齢と時間
40歳の1ヶ月と18歳の1ヵ月を比べたら、やっぱり18歳の方が価値はあると思う。
若いうちの方がいろいろできるというのは本当だ。
若ければいろんな失敗を大目に見てもらえるし、大人になると確実に時間がなくなる。
それなのに僕は、体力も健康も永遠に続くと思っていた。
いつか消えてしまうと知らなかったから、貴重な若い時は夜中まで働いいたりして、消費してしまった。
息子には教えておきたい。
若いときの大切な時間を、アルバイトなんかで安売りするなと。
そして有限だと知ってこそ、時間にも若さにも価値が出ると。
親と子
どんなに僕が自慢のお父さんになろうと奮闘しても、息子にはいつか僕を否定してほしい。
親もはじめての人生で、はじめての子育てをしていて、それで間違えないなんてありえない。
人間は死ぬまで成熟などしないしてました35歳の僕は未熟者なんだ。
感想
「息子にはいつか自分を否定してほしい」という意見にすごく共感しました。
立派な親でありたいと思うけど、全く完璧じゃない自分がいます。
まとめ
- 若い人の時間ほど、貴重な価値がある
- 写真は自分がよく知っているものを撮るのがいい
- ライスワークは効率重視でいい
YouTubeでの音声まとめはこちらです。