要約
人蕩の極意
魅は
与によって生じ
求によって滅す
人蕩術の要諦
魅力とは他人を自分に引き寄せる力である。
魅力とは、他人に何かを与えれば生じ、他人に何かを求めれば消えるものである。
その何かとは5つあり、そのうち物質的なもの1つだけで、他の4つは無形のものである。
4つの無形のものを与える機会は、会話が最も多い。
4つの無形のものを他人に与えれば、その代償として他人からお金やモノが自分に支払われる。
私たちは、五大本能的衝動についてよく知り、自分のこの本能的衝動を自ら充足し、そして他人のそれも充足してあげるならば、誰でも素晴らしい魅力を身につけることができる。
五大本能的衝動
- 生存本能
- 群居衝動
- 自己重要感
- 性欲
- 好奇心
問題と悩み
「悩みが多い」とは、必ずしも「解決しなければならない問題をたくさん抱えている」という意味ではありません。
つまり「ほとんど問題を抱えていないのに、悩みが尽きない」という人も多くいるのです。
問題とは外部にあり、悩みとは内部にあるものです。
そして問題の量と悩みの量は必ずしも正比例するものではありません。
成功する経営者は、常に問題を山のように抱えているが、精力的にそれらに取り組む限り悩みはありません。
これに反して、失敗者は、わずかな問題にも、くよくよ悩み自分の不運を嘆きます。
成功者は問題を解くのを楽しみますが、失敗者は悩みばかりに気を取られ、その余裕はありません。
アドラーの言葉
アドラーはうつ病患者に向かって、常に次のように言ったと言われます。
私の指示通りにすれば、この病気は2週間で治ります。
すなわち、どうすれば他人を喜ばせることができるか、毎日考えてみればよろしい。
自分の隣人に興味が持てない人間は、最も苦しい人生を歩まねばならず、他人をもひどく苦しめます。
人間としてぜひ必要な資格、そして最も賞賛すべき資格は、共に楽しく働ける仲間であること、すべての人間の友人であること、そして恋愛においても結婚生活においても、真に助け合える伴侶であることです。
陽気さを身に付ける3つの具体的方法
人たらし術とは、まず己自身を明るく暖かにする術を持って始まるのであります。
- 笑顔
- 挨拶
- 話しかけ
以上の3つの行動によって、陽気さは得られるものです。
無声映画時代に、ダグラス・フェアバンクスというスターがおりましたが、この人の言葉にこういうものがあります。
「朝10時まで笑顔を自分の顔に留めておければ、それは1日中継続できる」
まず鏡を見て微笑を浮かべる練習をしてみてください。
その次にその微笑を、人前に出たら無理矢理にでも自分の顔に浮かべてみるのです。
豊臣秀吉も本田宗一郎も、周りが暗ければ暗いほど、自らを発電させ、いっそう明るく輝いて見せました。
本田宗一郎自身「俺は湿っぽいのや陰気なのは嫌だから、そんな時は思わずパーッとやりたくなるだけさ」と言っております。
本田宗一郎の周りは笑いが絶えなかったと言います。本田は時に猥談を交えて次々と冗談をいい、その絶妙な呼吸は、若い頃からの道楽で身に付けたといいます。
成功と失敗を分けるのは気分
成功者は、プラス思考でしかも性格が明るいと言う傾向があります。
失敗者は、真面目で頑張り屋で、暗く、不平屋であったのです。
部下に対して、取引先に対して、奥さんに対して、親類に対して、みんなに対して感謝の気持ちが足りないのです。
私が人生を見渡すかぎり、敗者の最大の原因は陰鬱な不平屋であることでした。
人生における成功不成功の原因は、才能とか能力にあるのではなく、一口に言って、気分のあり方にあるようです。
参考文献
新史太閤記/司馬遼太郎
本田宗一郎の人の心を買う術/城山三郎他
ホンダ伝/井出耕也
経営に終わりは無い/藤沢武夫
道は開ける/D.カーネギー
人を動かす/D.カーネギー
図解雑学 豊臣秀吉/志村有弘
百歳の青年二人大いに語る/物集高量
幸福の科学的すすめ/無能唱元
かねもうかるの伝授/脇坂義堂
感想
高価な本だけど、それ相応の価値があると思う。
言ってることは至極真っ当というか、小学生に向かって言ってるようなくらい当たり前のこと。
だけど冷静に普段の自分の生活を振り返ったら、実践できていないことばかり。
本書では「人蕩しの達人」として豊臣秀吉と本田宗一郎のエピソードが多数紹介されている。
参考文献から、その二人について学ぶことにした。
まとめ
- 魅力ある人は「自分から与える」
- 魅力ある人は「いつも明るい」
- 陰気で感謝できない人に魅力を感じる人はいない