〈この記事はこんな方におすすめ〉
・書籍「永遠の仔」の要約や感想を知りたい
〈この記事によってわかること〉
・書籍「永遠の仔」のエッセンス
・書籍「永遠の仔」から得られる学び
天童荒太さんの「永遠の仔」は、親子関係と罪の意識を扱った長編小説です。
同い年の三人の男女が主人公となり、ある殺人事件の真相を追求します。
その過程で、三人それぞれの過去が明らかになり、お互いに嘘をついたり庇ったりしてきた背景が明らかになっていきます。
「親子関係」と「罪の意識」を主軸に人間の本質に迫る壮大な物語です。
文庫本だと5巻組の長さがありますが、物語に強く引き込まれるのでどんどん読み進めてしまいます。
この記事では、「永遠の仔」のエッセンスをまとめます。
こんな方にオススメの本
「永遠の仔」は、こんな方におすすめです。
- 生きがいを実感したい
- 人に言えない過去がある
- 「自分はこのままでいいのか」という焦りがある
- つい嘘をついてしまう
- 人から認められたい気持ちが強い
本書の構成
「永遠の仔」の主人公は、同い年の男女三人です。
この三人が「12歳の頃」「29歳の頃」という二つの時代を、交互に描きます。
12歳の頃:1979年5月〜1980年春
29歳の頃:1997年春〜1998年早春
本書の教え
怒りを溜め込んではいけない
怒りを内側に溜めず表に出した方が良い。
不当に傷つけられ、怒りや悲しみを内側に溜めている子供は、自分を責めるようになる。
「自分がダメな子だから、ひどい目にあった」「自分が悪い子だったから傷つけられるような目にあった」と。
他人に受容されることが負担になることもある
自分を全部受け入れてもらうっていうのは時に負担でもある。
もちろん誰だって他人から認めてもらいたいし受け入れてもらいたい。
でも赤ちゃんではないわけだから、自立した人間として、誇りを持って行きたくもある。
そのためにはゆずれないところがあったりする。
ダメな生き方なんてない
だめな生き方なんてない。
それに今この瞬間からだって変えていける。
自分が納得できる生き方を、作っていけば良いだろう。
秘密や嘘に逃げない
真実を明かすことが周囲を辛くさせる場合にも、秘密や嘘に逃げないこと。
真実を明かしたことで起こる、いっそうの悲劇や悪でさえも受け止めていこうとする態度こそが、成長と呼ばれるものに結びつくのかもしれません。
虐待が連鎖するとは限らない
虐待を受けた人が親になったら、必ず虐待をするようになると言う事は、決してありません。
今、子供に暴力をふるっている人は、かつて被害者だった人が多いと言われています。データ的にもそのパーセンテージが高いようです。
けれども暴力を振るわれた人が必ず暴力を振るようになるわけではありません。
ひどい虐待を受けても、だからこそ自分の子供には手を上げないと心に決め、しっかり子供を育てている人が大勢いらっしゃる。
「永遠の仔」というタイトルの真意
「仔」という字は、動物の子どもをさすのに使われます。
現実の生活やテレビの映像などでご覧になった事はありませんか。
動物の赤ちゃんが、生まれたばかりでまだ目も見えないのに、お母さんのお乳を吸おうとして懸命になっている姿を。
これはまさに「永遠の仔」という作品全体を貫くイメージです。
人間もやはり動物であり、誰もが心の内では親の絶対的な愛情を求めています。
たとえ「大人」と言われる年頃、「高齢者」と呼ばれる年代になっても、また有名になろうと犯罪者になろうと人徳者と呼ばれる存在になろうと、常に人という生き物は、心の奥底で親や、あるいは親に変わる立場の人からの絶対的な愛情や承認、深い肯定を求めています。
つまり「永遠の仔」というタイトルは、人間も動物であり、しかも何歳になっても心は子どもなんだということを意味しているのです。
まとめ
「永遠の仔」は、親子関係について悩む全ての人に勇気を与えてくれる本です。
ドラマ化もされているので、こちらのDVD-BOXもおすすめです。
夫婦関係についてお悩みの方には、こちらの記事でオススメの書籍を紹介しています。