〈この記事はこんな方におすすめ〉
・書籍「直感と論理をつなぐ思考法」の要約や感想を知りたい
・インパクトのある事業を作れる人の思考法について学びたい
・他人に振り回されない自分なりの軸を持ちたい
〈この記事によってわかること〉
・書籍「直感と論理をつなぐ思考法」のエッセンス
・妄想から事業を作るための方法
・他人に振り回されない方法
佐宗邦威さんの「直感と論理をつなぐ思考法」を読んだのでその書評と要約をします。
めちゃ面白い本を読んだので
ブログにまとめを書きました・妄想からスタートせよ
・他人モードで生きるな
・余白は自分で作るもの
・妄想の味方は紙とペン
・デジタルツールの弱み
・物語こそが人を動かす【直感と論理をつなぐ思考法】
著者:佐宗邦威さん @sasokunitake https://t.co/5b6uDfYjkx— タマ教授 (@tama_easy) May 19, 2019
ビジョン思考について
ビジョン思考とは
ビジョン思考とは、本書のタイトルでもある「直感と論理をつなぐ思考法」のこと。
現実世界にインパクトを与える「ビジョナリーな人」は、直感からスタートしつつも、ただの「妄想」で終わらせることなく、具体的な「戦略」に落とし込み、周囲の人を納得させ、巻き込んでいく。
いくら大きな妄想を持っていても、それが戦略にならず単なる妄想でとどまる限り、その妄想は無に等しい。
ビジョン思考を成り立たせるもの
ビジョン思考を習慣として成り立たせるには、次の2つのものが必要になる。
- ビジョン思考のスペース
- ビジョン思考のメソッド
ビジョン思考を習慣化する上で何よりも大切なのは、そのための「スペース=余白」を人為的に作ることなのだ。
これはまっさらなノートのような空間的余白だけではなく、そのノートを通じて自分の妄想にアクセスするための時間的余裕をも意味している。
ビジョン思考は余白作りから
ビジョン思考を成り立たせるためには、余白作りがすべての起点になる。
問題は、余白は必ず本人が自ら作らねばならないということである。
その意味では全ての創造は余白の創造から始まると言っていい。
また余白を作ることなくして何らかの創造的アイデアが生まれる事はない。
「夜、余裕ができたらやってみよう」ではなく、まず先回りして余白を作るのである。
余白の価値を知っているものが時代を切り開く
僕たちの仕事時間はやるべきことで溢れていくからこそ「何もしない状態=余白」を作る方法にはそれだけの価値があるのだ。
余白がなければビジョン思考が機能し得ないことをイノベーターたちを経験的によく知っているのである。
スティーブ・ジョブズを始めとするイノベーターたちが習慣的に瞑想を行っているのにも同じような理由がある。
今や組織レベルでマインドフルネスと呼ばれる瞑想を採用している企業は枚挙に暇がないし、Googleに至ってはこれを研修として展開している。
ビジョン思考を邪魔するもの
他人モード
現代人の多くは、他人からの反応を気にして生きている。
頼まれた書類の準備、SNSの更新、家族の面倒…
普通に生きていると、私たちの脳はずっと「自分はどう感じているか」「自分はどうしたいか」が後回しになり、「どうすれば他人が満足するか」にフォーカスしている。
つまり脳が「他人モード」で考えている。
日常の中で「自分モード」のスイッチを切りっぱなしでは、新しい発想をしたり粘り強く考えたりする力が失われてしまう。
余白のない生活
妄想を出発点とするビジョン思考を実践できているのは、子供たちである。
子供たちが使いこなしているビジョン思考を大人たちが実践できない理由の大部分は余白の有無にある。
子供の生活時間には多くの余白がある。
したがって目の前にクレヨンと白い画用紙というキャンバスが用意されれば、後は勝手に彼らのビジョン思考が発動する。
一方で、大人になってしまうと少なくとも時間の空きはほとんどなくなる。
業務や家族のための時間はもちろん、それ以外にもSNSでの近況報告や写真、YouTube動画やNetflixの連続ドラマ、メッセージアプリの連絡などなど、ありとあらゆるものが、あなたの余白を狙って流れ込んでくる。
その現代においては余白が勝手に生まれることなどありえない。
大人にとって余白は作るものなのである。
余白をつくり、妄想を解き放とう
自分の妄想を解き放つために必要なことは二つだけ。
- 今すぐ新しいノートを買う
- ノートに取り組む時間をスケジュールに入れる
この二つを実践するだけで、妄想を解き放つ習慣を身につけることができる。
アウトプットの訓練方法「モーニングジャーナリング」
毎日決まった時間に書く
毎朝仕事前に近場のカフェで書くのがオススメ。
人に見せないことが大前提
他人の目があるブログやSNSではなく持ち運びが簡単のコンパクトサイズノートが良い。
毎日決まったページ数を書く
例えば毎日2ページを見ると決めたらなるべくそれを守る。
お気に入りのペンで手書きする
手書きには集中力を高めたり、心整えたりする効果が期待できる。
普段キーボードばかり向き合っている人には特にオススメ。
最低でも1ヶ月続ける
これぐらい継続するとかなりしっかりと効果を実感できる。
今感じていることを書く
ジャーナリングの記述内容は、過去に起きたことよりはその時に感じていることが望ましい。
主観的に書く
客観的な事実ではなく、あくまでも主観的な感覚感情にフォーカスする。
まとまらない文章でいい
他人に見せるものではないし、ネットで公開することもないので、どんなに稚拙な文章でもかまないし、どれだけ恥ずかしいことを書いても良い。
紙のノートに手書きが最強
妄想ビジョンを引き出すための余白キャンバスと聞いたときに、多くの人が連想するのはノートではないだろうか。
実際新品のノートを買うという行為は、今すぐ誰にでもできると言う意味で、最も簡単な「余白のデザイン」である。
既に使っているメモ帳等でも構わないのだが、できれば他人モードの思考が全く書きこまれていないまっさらの状態のものが望ましい。
持ち運んでいるときや開いた瞬間にテンションが上がるデザインだとなお良いだろう。
その意味ではやはり今の自分が気に入ったデザインの新品ノートを買ってしまうのが1番手っ取り早い。
イチオシはやはり革表紙のモレスキンである。
デジタルツールの弱み
よく聞かれるのがスマホやPCタブレットではいけないのですか?と言う質問だ。
例えばEvernoteアプリを立ち上げて+ボタンをタップしたり、Microsoftワードを起動したりすれば、何も書かれていない画面が立ち上がる。
ちょっとしたメモや仕事のドキュメント作成で、普段からこれを使っている人にとっては、わざわざ紙のノートに手書きをすると言うのは、ひどく非効率で億劫に感じられるはずだ。
しかし余白を作ると言う視点で考えると、物理的な紙のノートに勝るデジタルツールは、今のところ存在していない。
思考を邪魔する通知が来る
デジタルツールを使っていて困るのが、デバイスの画面に向き合っている限りどうしても邪魔が入ると言う点だ。
LINE通知、Twitter通知、Facebookの通知、仕事関係のファイルアイコンなどが目に入り、「明日のプレゼン資料作らなきゃ」「返事しなきゃ」と、すぐ他人モードに引き戻されてしまう。
奥にしまいこまれている
またデジタルデバイスのノートは「奥にしまいこまれている」という点に弱みがある。
- スマートフォンを手に取る
- ロックを解除する
- アプリを立ち上げる
- 新規作成をタップ
上記のように、実はいくつかのプロセスを踏まないとノートにたどり着けないようになっているのだ。
ストーリーづくりに役立つ「英雄の旅フレーム」
物語の形式をとった説明は、人の心を動かしやすい。
神話学者のジョセフ・キャンベルが世界中の神話に見られる共通のパターンを分析し「英雄の旅」と言うフレームワークを作った。
この枠組みでは、主人公、試練、メンターという要素をめぐって7ステップのストーリーが展開されていく。
「英雄の旅」フレームはハリウッド映画などにも応用されており、ジョージルーカス監督が「スター・ウォーズ」シリーズを制作するときに活用したことでも有名になった。これ以外にも「ET」「ショーシャンクの空に」「タイタニック」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などにも同じような構造があると言われている。
「英雄の旅」7つのステップ
現実
主人公は現在どのような課題に直面しているのか?
冒険への誘い
主人公はどのようなきっかけで新たな世界の存在を知るのか?
迷いとメンターの支援
主人公は旅立ちを前にどのように感じ、メンターが持つどのような力によって、その世界に入ることを後押しされるのか?
一線を越える
主人公はどのような覚悟と期待を持って旅立ちを決めるのか?
何が覚悟を決めるきっかけとなるのか?
試練
新たな世界の中でどのような試練と直面するのか?
メンターはどのように主人公を助けるのか?
克服と報酬
主人公はどのようにして試練を克服し、それによってどのような宝物を得るのか?
宝物を得て帰還
宝物を得た主人公は元の世界に住む仲間を見て何を思うのだろうか?
彼らにどんな声をかけるだろうか?
「英雄の旅」フレームをビジネスへ転用する
7つのステップからなる「英雄の旅」フレームは、次のように読み替えることでビジネスにも利用できる。
- 主人公=ユーザ
- 手練=ユーザの抱える問題
- メンター=問題を解決する商品やサービス
- 宝物=得られるベネフィット
物語は人の心を動かす
映画製作やビジネスにおいてストーリーが持つ威力を解説した良著はこちら。
「英雄の旅」フレームとは若干異なるが、人の心に残るストーリーが持つ7つの構成要素について説明している。
参考図書:ストーリーブランド戦略
まとめ
「直感と論理をつなぐ思考法」とは、妄想を手なずけ大きなインパクトを生む方法。
ただの妄想で終わらせず、人を動かす戦略に仕上げていくためのコツが書かれています。
「妄想するのは得意だけど、それがビジネスにおいてプラスに働くの?」
そんな風に思っていませんか?
実はビジネスにおいて妄想する力は不可欠。
ただし、妄想を社会的に価値のあるアイデアへと発展させるには、人に納得してもらえるような戦略にデザインしていく必要があります。
そのためにまず必要なのは「余白を作る」ということ。
妄想力を発揮するコツを本書で学んで、停滞感を打ち破りましょう!