ブリュードッグというイギリス発祥のビールブランドがある。
「PUNK IPA」などの銘柄は日本のスーパーでも購入できて、とても美味しい。
そんないけてるビールブランド・ブリュードッグの創業者であるジェームス・ワットさんが書いた本が「ビジネス・フォー・パンクス」。
ブリュードッグというベンチャー企業をどうやって育ててきたか、イギリスの寂れた町の小さな倉庫から始まったブランドが世界中に広がったのはどうしてか、たくさんのファンが生まれた理由は何か、そんなことがわかる本。
「ビジネス」という言葉がタイトルにあるが、テクニックやライフハックを教えてくれる本ではありません。
ハウツー本ではないので勉強のために読もうと思わない方がいいかも。
「許可とろうとするな!」
「事業計画を立てる暇があったら実験しろ!」
ジェームズさんはそんなことを言う一方で、「財務用語はちゃんと理解しとけ」とも言います。
パンクの精神を燃やし続けるビジネスマンがどんなことを考えているか、ギラギラした社長の心を疑似体験したい人にはおすすめ。
この記事では、特に印象に残った箇所を独断と偏見で紹介します。
デジタルのデスクと、アナログのデスク
とても面白かったのが、ジェームズ・ワットさんの仕事のスタイル。
ジェームズ・ワットさんの仕事場には、デジタルのデスクとアナログのデスクがあるという。
アナログのデスクには、いくつかの種類の紙とペンがあるが、ネットサーフィンはできない。
デジタルのデスクではメールやチャットなどを行うが、プレゼン準備や新しい広告戦略の企画はもっぱらアナログのデスクで行うらしい。
創造性を発揮するにはアナログのデスク、もっと言えば仕事場から外に出ることが大事だとジェームズさんは指摘している。
パンクの精神を表す漢語
巻末にある楠木建さんの文章で、パンク精神の凝縮的表現を見つけた。
「倜儻不羈(てきとうふき)」という言葉は、才気がすぐれ、独立心が旺盛で、常軌では律しがたいことを意味している。
同志社の創設者である新島襄は、この「倜儻不羈」こそ教育の理念であると言っていた。
システムで目標を達成する
ジェームズさんは、以下のように指摘している。
目標とシステムを深く結びつけて実行しなければならない。
目標が1番うまく達成できるのは、システムを徹底的に実行した時だ。
では、そんなジェームズさんが実行しているシステムとはどんなものなのか?
以下のようなシンプルな6箇条からなるものである。
- 毎日2回、心を込めて、偽りなく、社員の事を励ます。
- 粗利率が40%を切る契約は必ず断る。
- メールチェックは2日に一回だけにする。
- すべての新入社員に最高の受け入れプロセスを用意する。
- 新しい土地や建物を確保するときに入札になったら、売り手の提示額の30%安でしか応札しない。
- 一定額を超える支出のある契約では必ず、事前に3件の相見積もりを取る。
Youtubeでの音声まとめはこちらです。