【要約】ストーリーブランド戦略/ドナルド・ミラー

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〈この記事はこんな方におすすめ〉

・モノを売る方法を知りたい

・物事をシンプルに伝えれるようになりたい

・記憶に残るストーリーをつくりたい

 

〈この記事によってわかること〉

・売れるものにはストーリーがある

・人の記憶に残るストーリーの「7要素」

・「7要素」が活かされている実例

 

この記事は、「モノを売りたい」「情報をうまく伝える力を身に付けたい」とお悩みの方に向けた記事です!

 

マーケティングの名著「ストーリーブランド戦略」の要点について解説します!

 

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物語が持つ力の偉大さ

 

物語が持つ力を使えば、以下の効果が得られる。

 

〈物語の力が持つ効果の例〉

・映画がヒットする

・商品が売れる

・プレゼンに勝てる

 

物語の力を利用できるのは、映画監督や小説家だけではない。

「情報を的確に伝えたい」というニーズを持つ全ての人が、物語の持つ力を利用することができるし、利用すべきである。

あなたのサービスを利用するメリットを顧客に理解してもらいたいときなどにも、物語は効果を発揮する。

 

物語に欠かせない7つの基本要素

 

たいていの物語は次のように要約できる。

なお太字にした7箇所は、物語に欠かせない7つの基本要素である。

 

〈7つの基本要素を含んだ物語の型〉

・何らかの目的を持つ主人公が、それを達成する前に問題に出くわす。

・主人公が絶望の淵に立たされた時、導き手が現れて、計画を授け、行動を促す

・その行動により、主人公は失敗を回避して、成功に至る。

ほとんどの映画では、何らかの形でこの構造が登場するはずだ。

 

物語の7つの基本要素は音楽のコードのようなもので、この要素を使って生み出すことができる物語は無限にある。

ギターを弾くとき、7つの和音でいくらでも曲を作れるのと同じだ。

一方、そのコードからあまりにもかけ離れた曲は、音楽ではなく雑音になってしまう危険がある。

 

【実例】映画「スターウォーズ」における7要素

 

映画「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる野望」で、主人公のルーク・スカイウォーカーは育ての親である叔父夫婦を帝国軍に殺されるという悲劇に見舞われる。これによって、物語が動き出す。

ルークがジェダイの騎士になるための旅が始まり、ルークが帝国の宇宙要塞であるデス・スターを破壊したことにより、反乱軍が生き延びて戦いを続ける。

導き手として登場するのは、かつてルークの父の師匠だった元ジェダイの騎士、オビ=ワン・ケノービである。

 

<「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる野望」の7つの基本要素>

  1. 主人公:ルーク・スカイウォーカー
  2. 問題:帝国軍を倒さねばならない
  3. 導き手:オビ=ワン・ケノービ
  4. 計画:フォースを信じる
  5. 行動促進:帝国軍を倒す
  6. 失敗:反乱軍が壊滅する
  7. 成功:反乱軍は壊滅を免れる

 

物語の力をセールスに利用するために

物語の力を「モノを売ること」に応用するにはどうすれば良いでしょうか?

 

物語の7つの構成要素がそれぞれセールスとどう結びつくかを考えてみましょう。

7つの要素をセールスに活かすならば、以下のようになります。

 

〈物語の7つの基本要素をセールスへ応用する〉

  1. 主人公:商品やサービスではなく消費者を主人公にする。
  2. 問題:消費者が求めているのは(外的問題ではなく)内的問題の解決策である。
  3. 導き手:消費者が求めているのは(もう1人の主人公ではなく)導き手である。
  4. 計画:消費者が信頼するのは計画を提示する導き手である。
  5. 行動促進:行動を流されない限り、消費者は行動しない。
  6. 失敗:人間は悲しい結末を避けようとする。
  7. 成功:商品やサービスの価値を推測してもらおうとせず、必ず言葉にして伝える。

 

大切なのは、「消費者が考えていること」を十分に理解し、かつ「売り手は何をすべきなのか」を考えることです。

 

以下に、消費者と売り手の特徴をそれぞれを箇条書きにしてみます。

 

〈消費者が考えていること〉

  • 自分が主人公でいたい
  • 違う自分になりたい
  • 優れた導き手と出会いたい
  • 信頼できる相手から商品を買いたい

 

〈売り手がやるべきこと〉

  • 情報を整理して伝える(余計なことを言わない)
  • 消費者を主人公にする(自分が主人公になろうとしない)
  • 自分に導き手としての資格があることを示す
  • 消費者に推察してもらおうとしない

 

【実例】Appleの強みとなっている3つの柱

 

ブランド戦略の本質は、何度も繰り返せる、簡潔で、消費者の関心を引くメッセージを作り、商品やサービスを人々の意識に浸透させることである。

ブランド戦略の本質を理解し成功している企業の例としてAppleを取り上げる。

 

Appleが急成長を遂げるようになったのは、スティーブ・ジョブズが物語を通して情報を選別するようになった後である。

一度Appleを追い出されたジョブズは、ピクサーという物語作りの天才集団と共に働く期間を通じて、物語こと全てだと考えるようになっていた。

 

ピクサーの経営に携わったジョブズがAppleに戻ると、Appleは顧客中心主義になった。

Appleが発するメッセージは、説得力のある簡潔なものになり、また商品そのものにフォーカスしなくなった。

「消費者は皆、それぞれが主人公であり、自分自身の物語から力を得ている」とジョブズが理解したためだ。

 

Appleが打ち出したのは次の3つの柱だった。

 

<Appleの強みとなっている3つの柱>

  1. 消費者がどのようなイメージで見られたいのかを知る
  2. 消費者が自分自身の隠れた素質を引き出す目標を定義する
  3. 消費者が自らを表現するために使える道具を提供する

 

大切なのは「消費者の物語におけるアップルの役割は何であるか」を定めたことこそ、アップルの成長に欠かせない要因だったと言うことだ。

 

恐怖や嫌悪が人を動かす

物語には人の感情を変化させ、行動を起こさせる力があります。

数ある感情の中でも、「恐怖」「嫌悪」というネガティブな感情は、特に強く行動を促します。

 

ここではネガティブな感情にまつわる重要な2つの研究結果について説明します。

 

プロスペクト理論

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは、1979年に購入に関する意思決定についての理論を発表した。

プロスペクト理論」と呼ばれるこの説によれば、人は利益を得る選択よりも、損失を回避する選択をする傾向がある。

 

言い換えれば「10,000円を得る喜び」よりも「10,000円を失う苦しみ」の方が大きい。

つまり購入の意思決定において、損失回避は潜在的利益よりも強い動機付けになるのだ。

 

恐怖訴求の4段階

ドミニク・インファンテ、アンドリュー・ランサー、ディアナ・ウォマックは共著「ビルディング・コミニケーション・セオリー」において、恐怖訴求という4段階の手順を提案している。

 

〈恐怖訴求の4段階〉

  1. 第1段階では、脅威にさらされていることを読み手に知らせる必要がある。例えば「全家屋の約30%にはシロアリの痕跡が見つかります
  2. 第2段階では、脅威にさらされている以上、行動を取るべきだと読み手に知らせる。例えば「ご自宅をシロアリから守るための対策をとりましょう
  3. 第3段階では、その危険から読み手を守る特定の行動喚起について知らせる。例えば「当社ではシロアリ駆除を行っております
  4. 第4段階では、行動をとるよう具体的に促す。例えば「シロアリ駆除のお見積もりについて、今すぐお電話ください。

 

まとめ

この記事のまとめはこちらです。

・記憶に残りやすい「ストーリーの型」がある。

・ストーリーの力を使えば、芸術作品をヒットさせたり、商品を売り込んだりできる。

・人の記憶に残るストーリーの「7要素」は以下の通り。

  1. 主人公
  2. 問題
  3. 導き手
  4. 計画
  5. 行動促進
  6. 失敗
  7. 成功

 

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