「無意味のススメ」は、無意味を嫌わず、否定せず、ただ受け入れるトレーニングをするための本です。
この記事では「無意味のススメ」のエッセンスをまとめてご紹介します。
要約
一言でまとめると
「無意味」を嫌わず、否定せず、ただ受け入れるトレーニングをするための本
大事なポイント
本書の役割
本書の役割は「無意味」を「自分にとって意味あるもの」にするための思考や行動を説くところにある。
無意味に価値を見出し、無意味を愛するためのアイデアが展開される。
疲労をほぐす
労働から受ける疲労を、無意味でほぐしてみよう。
例えば、避けられない残業が発生して「今日は終電か…」と思ったら、勇気を出して一旦会社を飛び出そう。
そして路傍の花を1分間だけ、眺めてみよう。
終わったら会社に戻り、残業に励もう。
この休息に意味はない。
だが、あなたの心は一瞬だけ、解放される。
美術に触れる
無意味との付き合い方を学ぶ基礎的な体験としては、美術館に行くことがオススメである。
美術は、無意味の価値の素晴らしさを教えてくれる。
美術は、無意味を虐げない。
無意味が意味の源泉となる事実を、美術はよく知っているからである。
会社での勤務態度
評価面談や自己分析のために時間をかけてエクセルシートを埋める必要はない。
自己評価は最低評価をつけ、クビにならない程度に、また大した成果も出さないように、せっせと働く。
自分を雇用しているのは会社の判断であり、自分の労働にどんな価値があるかなんて悩むことはない。
ベスト名言
何も言わない本は、とても優しい。
感想
ハッとしたこと
本書中の特定の一文ではなく、本書を読み通していくうちになんとなく感じたことなのですが、無意味を愛するということは「とりあえず受容する」というトレーニングになるのではないかと思いました。
物事に意味を求めすぎると、効率にばかり気を取られ、どんどん器の狭い人間になっていくのではと危惧しています。
とくに会社では短期間で利益をあげることが善いこととされ、遠回りする人間はバカ扱いされます。
そんな世界で「とりあえず受容する」という態度をベースに生きている人って稀なんですよね、たぶん。
でも、世界が発展していくためには「とりあえず受容する」タイプの人が欠かせないと思うのです。
息が詰まるじゃないですか、効率しか見てないのって。
こういうこと考えるのも、わりと無意味ですけどね・・・
やってみたいこと
著者である川崎昌平さんの、ご自身の勤務態度について書かれている部分が面白かったです。
いわく「自分を雇用しているのは会社の判断である」「自己評価は常に最低ランクにし、大した成果を出さないように働く」とのこと。
さっそく真似してみようと思います。
まとめ
本書「無意味のススメ」では、とにかく無意味を浴び続けることを体験できます。
そもそも紙の本を手にもって、ページをめくっていくという行為にも、スマホやPCから遠ざかりネットからの情報流入を遮断するという効果があるわけで、それに加えて本書に載っている言葉やイラストも「実益」とは真逆のものばかりです。
でも、無意味な時間こそが、人生を豊かに生きる基礎となるような・・・
たぶん・・・
「毎日なんか疲れている」
「でも理由がわからない」
そんなあなたは本書「無意味のススメ」を読む時間をなんとかして捻出すべきだと思います。
無意味を正面から受け止めることができたら、たいていの悩みはどうでもよくなりますよ。
合わせて読みたい
本書「無意味のススメ」が面白かった!という方は、川崎昌平さんの著作「労働者のための漫画の描き方教室」もオススメです。
意味と無意味、両方とうまく付き合うことの大切さを「無意味のススメ」で学んだら、漫画というツールを使ってアウトプットしていくと新たな自分を発見できるかもしれません。