河合隼雄さんと南伸坊さんによる著書「心理療法個人授業」は、心理療法の歴史、治療家の苦悩などについて書かれた対談本です。
この記事では「心理療法個人授業」のエッセンスをまとめてご紹介します。
要約
一言でまとめると
河合隼雄さんと南伸坊さんによる著書「心理療法個人授業」は、心理療法の歴史、治療家の苦悩などについて書かれた対談本。
大事なポイント
人間関係はテキトーでいい
人間関係はテキトーであればいい
マジメかどうかはどうでもいい
テキトーにやるのは案外難しい
母子関係が基礎になる
人間関係の基礎になるのは赤ちゃんとお母さんの関係
親がテキトーであればうまくいく
実際は構いすぎたり、放置しすぎたりする
人間関係は治せる
人間関係に躓いたら一生治らないかというと、そうではない
トレーニングによって人間関係は改善する
心理療法家と患者の対話を通じて、患者の心の「知らないうちにこんがらがった部分」を解きほぐしていく
ユングとフロイト
ユングは比較的柔軟(テキトー)な発想をした
フロイトは科学としての精神分析を目指した、厳格な人物だった
患者との恋愛
男性治療者と女性患者が恋愛関係になる率は、その逆よりも高い
(男性治癒者は恋愛したがっているのではないか)
芸術と箱庭
悩みのない人が迫力ある芸術作品を作ることはできない
表現せざるを得ないような悩みがある人によって芸術は作られる
箱庭をつくることも芸術に通じるところがある
感想
生徒が南伸坊さん、先生が河合隼雄さんという設定で「個人授業」としての心理学講義が開催されるというのが本書の構造です。
生徒の南伸坊さんが、実体験を踏まえていろんな質問をするのですが、それに対する河合先生の回答がいつも面白いです。
なんとなく、人間としての大きさみたいなものを文章から感じます。
1つ1つの講義は短くまとまっているので、細切れの時間で少しずつ読み進めていくことも可能です。
ところどころ登場する、南伸坊さんのゆるいイラストも癒されます。
まとめ
心理学の歴史や治療家の苦労話を、優しい先生のおしゃべりを聞く感じでリラックスして学ぶことができる本です。
「心理学にちょっと興味があるけど、堅苦しい本は読めない」
「心理療法家ってどんな人で、どんなことを考えてるのか知りたい」
そんな方には心理学へのきっかけを得る入門書としてオススメです。