〈この記事はこんな方におすすめ〉
・働きたくない人
・喫茶店やってみたい人
・死にたい気持ちと戦ってる人
〈この記事によってわかること〉
・自分で仕事を作り上げる方法
・喫茶店の経営にある苦労
・やりたくないことはやらなくていいということ
本書は、バイトがどうしても続かず就職活動にも挫折した青年が、一念発起して自分のお店「しょぼい喫茶店」を新井薬師に立ち上げるお話です。
小説じゃなくて実話です。
会社勤めに違和感を感じてる人にはとっても共感できるメッセージが詰まっています。
開店までの流れやSNSの使い方など実践的なアドバイスが豊富なので、自分でお店をやりたい人は必読。
声での要約(Youtube)はこちら。
この記事では「しょぼい喫茶店」のエッセンスをまとめてご紹介します。
どんな本なの?
喫茶店ができるまでのドキュメンタリー
著者である池田達也(えもいてんちょう)さんが、「しょぼい喫茶店」という名前の喫茶店を開くまでのリアルなドキュメントです。
ちなみに「しょぼい喫茶店」は新井薬師にあります。
池田さんは学生時代からバイトが苦手で、就職活動にもうまく馴染めず、会社勤めではなく自分自身で事業を立ち上げることに決めます。
もちろん経験も知識も不足した状態なので、資金調達やお客さんとのコミュニケーションで様々な困難にぶつかります。
一緒にお店をやることになるパートナーや、ネット上で繋がった人々に支えられ、試行錯誤しながらお店を軌道に乗せていきます。
ご本人がこの「しょぼい喫茶店」の冒頭で書いているように、「俺は喫茶店好きだから、やってみるゾ!」みたいなポジティブな感情でスタートしたのではない(挫折から始まっている)ことが重要なポイントです。
どんな人にオススメ?
「しょぼい喫茶店」は、こんな方におすすめです。
- 就活に違和感を感じてる人
- バイトが続かなくて悩んでる人
- 自己嫌悪に陥ってる人
- 会社で働くのが辛い人
- 喫茶店やりたい人
- 死にたい気持ちと戦ってる人
- 自分らしい働き方を実現したい人
どんな構成?
本書は、以下のような7部構成になっています。
僕は働きたくなかった
著者である池田さんの半生(学生時代)が語られます。
「嫌なことはしたくない」という気持ちから、自営業という道を選択します。
100万円ください
開店準備にかかる費用100万円をバイトして貯めようと決意します。
しかし目をつけていた物件だと実は100万円では足りないことが発覚しショックを受けます。
ところがtwitterで「えらいてんちょうさん」「カイリュー木村さん」なる人物と繋がり、100万円を出資してもらえることになります。
しょぼい喫茶店の誕生
池田さんとおりんさんの二人は新井薬師に「しょぼい喫茶店」をオープン。
「店舗運営はエンターテイメントである」と理解し、様々なサービスを駆使して集客します。
好きな時間に起きて、好きな時間だけ働いて、休みたいときに休む。
そんな憧れていた生活スタイルを実現した二人はとても満たされていました。
このままでは潰れる
開店直後の盛り上がりは、いつまでも続くわけではありませんでした。
だんだんお客さんが少なくなり、売上も落ちてきます。
「このままではダメだ」という不安に駆られ、パートナー同士の関係もギクシャクしてきます。
魔法を信じる力
お店を立て直すべく、様々な試行錯誤を重ねます。
営業時間、メニューを変えたり、ファンクラブを設立したり。
お客さんとの対話を通じ、「どうやってお店を大きくしていくのか」ばかりを考えるべきじゃないと気づきます。
グルーヴはひとりじゃ生まれない
この章では、飲食店を始めるために知っておくべき以下のことがまとめられています。
- お金はどうやって集めるか
- 物件はどうやって探すか
- 開店に必要な許認可は何か
- 飲食店運営のポイント
- コミュニティ運営のポイント
- イベント営業のポイント
また、池田さんがパートナーのおりんさんをどう見つめていたのかも明かされます。
長めのあとがき(おりん)
パートナーのおりんさんが「しょぼい喫茶店」に参加して、どう変化していったのかがご本人から明かされます。
おりんさんも、池田さん同様に生きづらさを抱えていました。
鬱により休職している間にネットで池田さんを知り、コンタクトを取ります。
二人で手探りで「しょぼい喫茶店」を立ち上げ、困難を乗り越えていくうちに、おりんさんは「死にたいトンネル」を抜けます。
どんなことが書いてある?
遅刻は良くない
100万円出資してもらうためのミーティングに、池田さんは遅刻してしまいます。
当時まだビジネス感覚のない池田さんは、そのヤバさを自覚していなかったそう。
基本的なマナーとして、時間は守りたいですね。
クラウドファンディングは万能じゃない
今はcampfireなどクラウドファンディングを利用することで、ネット上で資金調達ができます。
一見便利なサービスですが、池田さんは以下のように指摘します。
- たくさんの出資者に監視されることになる
- 気を遣って息苦しくなりそう
店の売りは自分自身
小さなお店を自分で切り盛りするには、人の助けが不可欠です。
お店をちゃんと回すためには、店主が人に好かれなければいけません。
しょぼい店は、人柄が一番の商品です。
大事なのは「いつも機嫌のいい人でいる」ということ。
お客さんと適度な距離を保とう
お客さんの中には、池田さんやおりんさんのように生きづらさを抱えている人もいます。
そうした人たちからのお悩み相談もあります。
最初はそうした声も聞いていましたが、だんだん受け止める余力がなくなってきます。
池田さんもおりんさんもカウンセラーではないからです。
打開策は、ファンクラブのリターンとして「お悩み相談」を設けたことでした。
お悩み相談は、しっかり対価をいただいた上で提供するサービスと位置付けたのです。
自分の力を過信してはいけない
「グルーヴはひとりじゃ生まれない」とは、池田さんが親友から贈られた言葉です。
今こうして楽しいと思える環境は、決して自分一人で作ったものではない。
それを守り広げていくために、周囲の人々に感謝し、コツコツ地道に努力することが大切。
登場人物のtwitterアカウント
しょぼい喫茶店を運営してる人
えもいてんちょうさん:https://twitter.com/emoiten
おりんさん:https://twitter.com/owajourney
しょぼい喫茶店公式アカウント:https://twitter.com/shobokitsu
しょぼい喫茶店に影響を与えた人
えらいてんちょうさん:https://twitter.com/eraitencho
phaさん:https://twitter.com/pha
関連書籍
「しょぼい喫茶店の本」著者の池田さんに影響を与えた本を紹介します。
しょぼい起業で生きていく/えらいてんちょう
池田さんがしょぼい喫茶店を立ち上げた際の「えらてんメソッド」が書かれた本。
「しょぼい喫茶店の本」がドキュメンタリー色の濃いものであるのに対して、
「しょぼい起業で生きていく」はノウハウの詰まった教科書的な本になります。
「しょぼい起業の成功例」として、しょぼい喫茶店が紹介されています。
「しょぼい起業で生きていく」の要約はこちらの記事で読めます。
持たない幸福論/pha
「持たない幸福論」のメッセージは「自分の価値基準で幸せを決める」。
「この言葉ですごく心が軽くなった」と、池田さんは書いています。
それまで普通というレールを外れたら幸せになれないと思っていた池田さんは、
phaさんの本をきっかけに、そのレールを進む先に自分の幸せがあるのかを考えたそうです。
感想
本書「しょぼい喫茶店の本」は、
以下の2つの点で、とても優れたガイドと言えます。
- SNSを駆使したスモールビジネスの経営
- 生きづらさの克服
スモールビジネスの教科書として読める
著者である池田さんは、twitter、note、polcaといったネットのサービスを駆使して、お客さんやお金を惹きつけます。
もちろん結果がついてくるのは本人のまっすぐな気持ちがあってこそですが、こうしたサービスなくして小さなお店を人々に認知してもらうことは難しいでしょう。
「自分のお店をやってみたい」という人にとって、この「しょぼい喫茶店の本」で池田さんがとっている戦略は大変参考になります。
若者が生きづらさを乗り越える物語として読める
「しょぼい喫茶店の本」では、著者の池田さんが起業に至った背景が詳しく書かれています。
- いつもバイトに馴染めなかったこと
- 就職活動に違和感を感じたこと
- 自己嫌悪に陥っていたこと
そうした内面を、とても赤裸々に書かれています。
「しょぼい喫茶店」の立ち上げ・経営を通じて、主人公であり著者でもある池田さんの自己認識はどのように変化していくのか、ぜひ本書で確かめてください。
まとめ
「しょぼい喫茶店の本」は、スモールビジネスの教科書としても、生きづらさを乗り越える物語としても読める良書です。
会社勤めに違和感を感じていて、自分のビジネスを始めたいと思っている人は必読です。
関連記事
経営者の葛藤を学ぶための本を知りたいなら、こちらのまとめ記事がおすすめです。