【要約&感想】<5分でわかる>労働者のための漫画の描き方教室

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労働者のための漫画の描き方教室」は、労働者としての多忙な日々に殺されないために、漫画という武器を手に入れる方法を教えてくれる本です。

 

 

この記事では「労働者のための漫画の描き方教室」のエッセンスをまとめてご紹介します。

 

要約

一言でまとめると

労働者としての多忙な日々に殺されないために、漫画という武器を手に入れる方法を教えてくれる本。

 

大事なポイント

表現することの効用

いろんなことを表現として吐き出すことで、新鮮な空気を吸い込むことができる。

 

労働者が漫画を描くべき理由

漫画は「労働者のための表現ツール」として以下の点で優れている。

 

  1. 特別なスキルがなくても作れる
  2. 多数のコミュニティや読者が存在する
  3. 画像データとしてネットで発表しやすい
  4. フォーマットが存在するので真似しやすい
  5. 読み手に負担が少ないので反応を確認しやすい

 

ワークとジョブの違い

ジョブとは、何であるか(例:私は漫画家である)

ワークとは、何をするか(例:私は毎晩漫画を描く)

ワークがないままジョブに励むと、苦しくなる。

 

表現に欠かせない読者の存在

表現は人に見せないと始まらない。

「無視」という反応さえも、描き手としての自分を変化させてくれるきっかけになる。

読者とは、「ファン」「賛同者」と同義ではない。

 

どんな読者を想定するか

自分ではない他人、すなわち読者を、描く段階で持っていない人間の作る漫画は、ひとりよがりのつまらないものになる。

対象読者は、必ずあなたの目に見えるところにいる人にしよう。

 

なお、この意見と同様の指摘が宮崎駿さんと養老孟司さんの対談本「虫眼とアニ眼にも登場します。

要約はこちらの記事で。

関連記事【要約&感想】<5分でわかる>虫眼とアニ眼

 

目的と動機

「苦しい”から“漫画を描く」のは動機。

「安らぐ”ため“に漫画を描く」のが目的。

 

作品を生み出すのをやめてしまう人は、作る行為以外のものを目的にしてしまっている。

より詳細に言うと、作る行為を名詞化してしまっている。

 

企画・編集すること

これから先、自分で制作だけでなく「企画・編集」もできなければ漫画は描けない。

企画しないまま制作に突入すると、のちのち迷って無駄な時間を過ごしてしまう。

 

企画書の書き方

自分の漫画を描く前に、企画書を作るべき。

企画書を書くことの目的は主に以下の通り。

 

  1. 情報の整理
  2. 情報の要約
  3. 内容の構築
  4. 読者の設定

 

漫画を描くための労働観

労働しつつ、表現を重ねていくにあたり、中長期的に大切にしたい労働観は主に以下のようなもの。

 

  1. 仕事をサボらない
  2. 有給休暇をきちんと消化する
  3. 無駄遣いせず貯金する
  4. あまり出世しすぎない

 

大事なのは感謝すること

労働者として漫画を描き、表現していく上で大事なのは、労働者として自分が存在できることに感謝すること。

 

「労働できる」ということが、そもそもとてもありがたいことなのである。

自分のいる環境に文句を言うばかりでは、表現者としても労働者としても、周囲に良い影響を与えることはできない。

 

名言ベスト5

漫画は読んでもらうことで完成する。

趣味で気分転換しろって話じゃない。どう戦うかの問題だ。

なめんな。本当の敗北は難しいんだ。

漫画を描くために、労働しなさい。

描いた絵は殺すな。

 

感想

ハッとしたこと

「労働者として存在できることに感謝せよ」というメッセージはめちゃくちゃ刺さりました。

 

漫画に限らず、自分らしさを表現して、それでお金を稼いで・・・ということが多少でもできてくると、どうしても「労働者としての自分は本当の自分ではない」「いつか労働から抜け出して、自分らしく生きてやる」そんなふうに考えがちではないでしょうか。

 

私自身もそうでした。

 

でも本書の著者である川崎昌平さんは、その現実逃避的な考えは危険であると指摘します。

 

逃亡と表現は、たいていの場合、両立しない。

それよりも「労働することができる」という環境に感謝し、同時に「労働者である自分を誇りに思う」ことからはじめよう。

労働者である自分が生きている事実を主観と客観の双方から肯定しよう。

 

そんな川崎昌平さんのメッセージに、目が覚める思いでした。

 

共感したこと

「絵を殺すな」という言葉に大変共感しました。

 

絵が上手くならない人は、自分の絵を見ていない。

自分の作品を「出来が悪い」「他人に見せられるものではない」と言って粗末に扱う人は上達しない。

 

そりゃそうですよね。自分の能力も、自分の作品を見てくれる人との関係も、どっちも大事にできていない。

 

そんな態度で表現の力が育つはずがありません。

 

まとめ

「労働者のための漫画の描き方教室」という本は、決して「漫画がうまく描けるようになるための本」ではありません。

 

「労働者として生きる毎日がつらい」という人が、現実から逃げることなく、むしろ自分自身の弱さや脆さと向き合って、かつ周囲と折り合いをつけて、自分を肯定していくために必要な道具を与えてくれる本なのです。

その道具の1つとして、漫画が存在するわけです。

 

はっきり言ってめちゃくちゃ面白いです。

400ページ以上ありますが、2時間もかからず一気に読めます。

著者の川崎昌平さんご自身がおっしゃっているように、漫画みたいなものですから。

そう考えると、「漫画」って一体なんなのでしょうね・・・?

 

忙しい労働者である自分に納得できずにいるあなたにオススメ。

様々な問いを与えてくれる良著です。

 

 

合わせて読みたい

本書「労働者のための漫画の描き方教室」よりもライトな読み物としては、「無意味のススメ」がオススメです。

 

「意味のあることをしなくちゃ」というプレッシャーに潰されそうな方は、無意味との付き合い方を見直すべきかもしれません。

 

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