【要約&書評】<5分でわかる>実行力 / 橋下徹(元大阪府知事・大阪市長)

【要約】実行力/橋下徹読書案内
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<この記事はこんな方におすすめ>

  • 橋下徹さんの大阪都構想について知りたい
  • 組織のマネジメントを学びたい
  • リーダーのあるべき姿を学びたい
<この記事によってわかること>
  • 橋下徹さんの将来のビジョン
  • 巨大組織のマネジメント方法
  • リーダーとしての心がけ

 

この記事では、橋下徹さんの著作「実行力」のエッセンスをまとめます。

 

橋下徹さんは、弁護士・タレントとして人気を博した後、38歳で大阪府知事に就任。

大阪市と大阪府の一体化をベースとした大阪都構想を進めるため、大阪市長にも就任。

 

若くして大阪府、大阪市といった巨大組織を指揮し、過去にとらわれない改革を進めるにはどういった困難があったのかを教えてくれるのが本書です。

 

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要約

信頼関係は仕事でつくる

組織のリーダーに必要なものは、友人関係のような人間関係ではなく、仕事をやり遂げたことへの信頼関係です。

 

政治家の中には、宴会に出まくって「宴会王」と呼ばれているような人もいます。

ただこのように宴会に出て飲み会の時間を過ごすことが、リーダーに必要な人間関係づくりになるのか大いに疑問です。

 

どんな形でもいいので何か仕事をやり遂げたと言うものがないと、組織マネージメント上有効な関係にはならないでしょう。

 

部下にも丁寧語で接する

僕は部下を呼ぶときには「さん」付けをし、丁寧語で接していました。

年上の人にはもちろん、年下の人に対しても全て「さん」付けです。

 

多様な意見を取り入れるための前提

頭でいくら考えても、絶対的な100%の正解を見つけることはできません。

なので自分とは違う立場の人の意見を聞くことが非常に重要になってきます。

 

たくさんの人に意見を出してもらう際に大事なのが、「最終的に決まったことには一切文句を言わず従う」という共通認識を持ってもらうことです。

この点を押さえていないと、意見が平行線をたどっていつまでたっても結論が出なくなります。

 

リーダーの仕事

リーダーの仕事は主に以下の2つです。

  • 部下が気づいていない課題を見つけること
  • 部下ができないことを実行すること

 

部下が自分で解決できる課題に、リーダーが細かく首を突っ込んではいけません。

 

リーダーの心構えは「割り箸役」

リーダーは絶対的に正しい決定をすると言うよりも、誰もが決められない問題について決めるということが役割なんです。

そう割り切らないとリーダーなんて務まりません。

 

リーダーがやるべき事は「絶対的に正しい答えを見つけ出す」ことではなく「決断し、責任を取ること」です。

決断にあたっては、「割り箸」になったつもりで、右か左かに倒れて決めればいいのです。

 

そもそもリーダーのところに持ってくる前に優秀な部下がいろんな検討をしているので、どんな選択肢にも全てポジティブな要素・ネガティブな要素が混在しているものです。

 

リーダーの読書は「問題解決」

リーダーの勉強の仕方は、専門家の勉強の仕方とは違います。

リーダーは知識を蓄えるためではなくて問題解決能力を磨くために、本や新聞を読むべきです。

 

現場の人たちでは解決できない問題を解決するのがリーダーの重要な仕事ですから、何が問題かを探り出す目的でポイントとなる箇所を読んでいきます。

 

例えば「新しい車を作りましょう」となった時に、リーダーはブレーキの構造やブレーキの製造方法について細く知る必要はありません。

知るべきは今までの車の何が問題だったのかという部分です。

 

リーダーは評論家になるわけではありませんから、本を1ページ目から読む必要はありません。

むしろ1ページ目から読み始める方が、リーダーとしては不適格だと思います。

 

リーダーのビジョンは「簡潔・具体的」

優れたリーダーやトップの方針というものは、簡潔で具体的で、「それがあるからこそ組織が動くことができる」というものです。

 

トランプ政権が2017年末に税制改革法を成立させ、法人税率を35%から21%に引き下げたときの基底になったのは、トランプ大統領によるA4たった1枚の指示書です。

 

自分の判断基準を知る

リーダーが自らの個性や傾向を知っておくことは重要です。

自らのことを知っていてこそ、部下に自分の判断基準や軸を示すことができるのです。

 

僕の決定の傾向は次のようなものです。

  • やるか、やらないかとなれば、やる。
  • 大胆なものか、まずは第一歩的なものかとなれば、大胆なもの。
  • これまでのやり方か、新しいやり方かとなれば、新しいやり方。
  • 現状維持か、変革かとなれば、変革。
  • 調和的なものか、波風を立てるものかとなれば、波風を立てるもの。
  • 体裁を気にするか、気にしないかとなれば、気にしない。
  • 対症療法的なものか、抜本的なものかとなれば、抜本的なもの。
  • 目の前の利益か、長期的な利益かとなれば、長期的な利益。
  • 特定の者の利益か、万人の利益かとなれば、万人の利益。
  • 現役世代の利益か、高齢者の利益かとなれば、現役世代の利益。
  • 現役世代の利益か、次世代の利益かつなれば、次世代の利益。

 

書評

 

橋下徹さんの仕事観を知った第一印象としては、共感するところありまくりでした。

特に、リーダーがやるべき事について述べられた以下の部分はものすごく同意。

リーダーがやるべき事は「絶対的に正しい答えを見つけ出す」ことではなく「決断し、責任を取ること」です。

 

本当にその通りで、理想の仕事の進め方って部下が「AかBかCという案が考えられます。決めてください!」と持ってきたのを「じゃあA案でいく!」みたいな感じだと思うんですよね。

けど実際って、リーダーという立場にありながら自分で案を作ろうとしたり(部下に任せない)、自分が決断できなかったり(責任を取ろうとしない)という人が少なくないのでは、と思います。

 

多少とも「自分はリーダーである」という自覚がある人は、ぜひ読んでほしい本であります。

 

一方で、もっと紙面を割いて説明して欲しかったなあと感じた箇所としては、組織づくりの考え方を述べている以下の部分。

たくさんの人に意見を出してもらう際に大事なのが、「最終的に決まったことには一切文句を言わず従う」という共通認識を持ってもらうことです。

 

「決まったことには誰も文句を言わない」という組織ってすごく優れたものだと思うんですが、それをどう作るか、どう維持していくかって、気になる人が多いトピックである気がします。

 

まとめ

  • 「部下が解決できない課題を決断する」のがリーダーの仕事
  • 「リーダーが決断すれば物事が進む」という状態に持っていくのが部下の仕事
  • 決断にあたっては「割り箸役」になるのがコツ

 

前例のない改革をたくさん推し進めた橋下徹さんの言葉は、どれもインパクトがあります。

 

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橋下徹さんの著作「異端のすすめ」の要約と書評はこちらからお読みいただけます。
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