「生きるとは、自分の物語をつくること」は、人間関係を作る上で物語がどんな作用をしているのかについて語られた、小川洋子さんと河合隼雄さんの対談本です。
この記事では「生きるとは、自分の物語をつくること」を買った理由、中身の要約、読んだ感想をまとめてご紹介します。
経緯:なぜこの本を買ったのか
購入したきっかけ
河合隼雄さんの著作「大人の友情」を購入しようとした時、偶然知った。
「物語をつくる」というタイトルに惹かれて買った。
読んでみると、冒頭に「大人の友情」のことが書かれており、2つの作品が思いがけず繋がっていることに驚いた。
購入した目的
小説家である小川洋子さんと、心理療法家の河合隼雄さんが、それぞれ「物語」をどう捉えているのかを知りたいと思った。
要約:書いてあったこと
強さ
人を助ける時、助けようとする側が強すぎるとうまくいかない。
すっと相手と同じ強さになるのは専門の訓練がないとできない。
魂とは何か
魂とは、開けられないものを明確に分けた途端に消えてしまうもののことを言う。
箱庭療法
箱庭療法の達人というのは、作っている人のそばで何もしないで見てるだけ。
その人がいる、ただ存在するだけで、触媒となって患者自身の治る力を引き出す。
すごい人と凄くない人は完全に別れる。
アースされてるから大丈夫
「私は人を殺した」なんて聞くと、しんどくて自分では待ちきれない。
それを他人に言えたらずっと楽になる。
ところが歳をとると、そういうの全部持てるようになる。
最後は地球にお任せしている。
望みを失わない
カウンセリングはちゃんと話を聞いて、望みを失わない限り、絶対大丈夫。
でもそれが難しい。
励ましの言葉
「頑張れ」なんていうのは、何気なく励ましているつもりで、実は相手と切れるための言葉である。
参考:他の本とのつながり
博士の愛した数式
「大人の友情」は、男と女、大人と子供、障害のあるものとないものとの間に、みんな友情が成立するんだということを書いた本。
それの見本みたいな物語が、「博士の愛した数式」である。
弓と禅
野球のプロは、調子がいい時「玉が走る」と言う。
決して「自分がうまく投げた」とは言わない。
動作の主語を自分以外の道具に見立てる考え方は、オイゲン・ヘリゲルの著作「弓と禅」にも通じるところがある。
ムーン・パレス
治療がうまく行くときは、「偶然治った」としか言いようがないことが起きる。
オースターの「ムーン・パレス」のように。
感想:読んで思ったこと
誰かが困っている時も、助けようと力んでいかない。
それより相手を信じて待つことの方が大切。
「僕はアースされてるから大丈夫」と言える人になりたい。
なろうとしてなれるもんじゃないかもしれないけど。
安易に頑張れと言わない。
もともと言うのも言われるのも嫌いだけど。
まとめ
人間は、物語の中で生きている。