〈この記事はこんな方におすすめ〉
・日本を作った偉人について知りたい
・海外の人に日本が誇る人物を紹介したい
〈この記事によってわかること〉
・日本の歴史を作った人々の一生
・内村鑑三がどのように日本の情報を発信したか
「代表的日本人」とは、
キリスト教研究者の内村鑑三が、
「日本人とはどんな人々なのか」を
西欧人に伝えるために書いた本です。
日本人の価値観や行動様式に
大きな影響を与えた5人の偉人を
聖書とも関連付けて紹介しています。
原文はちょっと難しくて読みづらいのですが、
「いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ」は
現代の日本語に翻訳されており、たいへん読みやすいです。
この記事では「代表的日本人」のエッセンスをまとめてご紹介します。
要約
代表的日本人として紹介されている5人と
著者の内村鑑三について、
それぞれまとめます。
西郷隆盛(新しい日本の創設者)
- 生家は由緒ある家柄ではなかった
- 薩摩では「中より下」の家柄
- おっとりして物静かで、まぬけで通っていた
- 身の回りにも、富や財産にも無頓着
- 言い争いや、人の邪魔をするのが嫌な性格だった
- 西郷隆盛の人生観は「敬天愛人」
上杉鷹山(封建藩主)
- 荒廃した米沢の地を再建した
- 率先してぎりぎりまで倹約した
- 富は常に徳の結果もたらされると信じた
二宮尊徳(農民聖者)
- 読書しながら歩く二宮金次郎として知られる
- 養ってくれた伯父は「読書など何の得にもならぬ」と言った
- 「自然はその法に従う者に豊かに報いてくれる」と信じた
- 荒廃した下野の国を再建し、小田原藩主に重用された
中江藤樹(村の先生)
- 十一歳のとき、儒教の経書のひとつ「大学」の一説に触発される
- 名誉と高禄を約束された仕事を断り、母親を養うことを選んだ
- 二十八歳で私塾を開く
- 中国の古典、歴史、詩歌、書道を教えた
- 「学者とは、その徳によって与えられる呼称であり、学識によるものではない」と信じた
- 学識ある人間より徳のある人間を育てようとした
日蓮上人(仏教僧侶)
- 激しさ、熱狂性、真剣さ、慈愛の心を備えた人物
- ふだんの暮らしはこの上なく質素だった
- キリスト教のルターと同じく、日蓮も聖典崇拝者だった
内村鑑三(「代表的日本人」著者)
- 宗教家、思想家としておもに聖書を研究した
- 既存のキリスト教派によらない「無教会主義」を唱えた
- 北海道大学の前身である札幌農学校に入学し、新渡戸稲造と同期
- アーモスト大学に編入学し、本格的な回心を体験する
感想
- 偉人の生活ぶりや、学校の教科書では触れないところを知れる
- 聖書や西欧の有名人と結びつけるのが面白い
- 現代語に訳されていてむちゃ読みやすい
まとめ
- 「代表的日本人」は日本の文化や精神を英語で西欧に紹介した本
- 「日本とはどんな国で、日本人とはどんな人々なのか」という問いに答えようとした
- 聖書の言葉を引用した箇所がたくさんある
- 「代表的日本人」と同時期に「武士道」「茶の本」も出版された